“五臓と未病”研究会

健康コラム

身近な薬草~モモ

 桃の原産は中国西北部の黄河上流地帯で3000年以上昔から栽培されていました。日本では古事記や万葉集に記載があり、縄文時代の遺跡からも種が出土しています。ただし現在の甘い栽培品種は明治以降になってから輸入されたものです。
 中国では桃は仙果と呼ばれ、霊力が宿り、邪気を祓い長寿をもたらす果物とされています。桃源郷は人の世の理想郷を意味する言葉、桃の花は雛祭りの花で女児の健やかな成長を祈る行事、桃太郎は邪悪を鎮める力の象徴、そして孫悟空が盗んだのも福禄寿が持っているのも桃です。
 桃は果肉、種仁、花、葉すべてに薬効があります。
 漢方では種子の中にある核を乾燥させた桃仁(とうにん)が、血液の停滞を除去し血流を改善する薬として生理不順・生理痛・更年期障害・便秘・疼痛などに用いられます。桃仁は桃核承気湯・桂枝茯苓丸・大黄牡丹皮湯・潤腸湯などの漢方処方に配合されています。
 葉はあせもや湿疹に効果があるので、湯船に入れたり煎じ液をローションにして外用します。
 花蕾には利尿作用があり、小便不利やむくみに効果があります。
 果肉には肌に潤いを与えたり、乾燥性の便秘を解消したり、体の衰弱を補い気力を増す働きがあります。ただし食べ過ぎるとお腹が張ったり下痢をするので注意が必要です。